モザペディア 〜青年海外協力隊でモザンビークへ〜

〜28年度1次隊員の7年目理学療法士がゆく。新たな挑戦。希望を求めて。

Vol5.活動62日目 〜モザンビークの理学療法士ってどうなの?〜

Boa tarde.ぼあたるじ

 

 

 

任地となるナンプラ州ナンプラ市に到着して2週間経過しました。

 

今日で初アフリカ進出して62日目を迎えました!まだ、しっかり時間を守る日本人です。ナンプラ市に到着してずっとお腹がユルユルで死んでました。自分って胃腸がこんなに弱かったか?と感じているところです 泣。よし、ここから立て直しじゃ。

 

さて、今日はモザンビーク理学療法士事情を少し書きたいと思います。

 

 

 

理学療法士の養成学校の数は?】

 

理学療法士の養成学校の数は全国で3つしかありません。

 

 

 

専門学校は2校(首都マプート、ナンプラ市)

大学は1校(首都マプート)

*1クラス30名 男女比=7:3

 

 

 

少ない?ですよね。最初聞いた時はびっくりしました。途上国といえどもリハビリを必要としている患者は多いはずなのになぜこんなに少ないのだろうかと思います。その理由を【なぜ、理学療法士の養成学校が少ない?】で書いてます。

 

 

 

専門学校は2年半(最終学年の約1ヶ月間は臨床実習)

大学は4年間(最終学年の約1か月間は臨床実習)

 

 

臨床実習が終われば、日本と同じ国家試験があります。その国家試験に合格すれば晴れて理学療法士になれます。

 

そして、卒業する学校によって名称が異なります。

専門学校だと『Técnico de fisiotepia』(テクニコー ディ フィジオテラピア

大学卒業だと『Técnico superior de fisioterapia』テクニコー スペリオール ディ フィジオテラピア

*de =〜の(英語のof)

*superior=上級の

養成学校の教員になるためには『Técnico superior de fisioterapia』の資格を持っている必要があります。

 

 

理学療法士の数は?】

 

正直、正確な数は把握出来ません。

 

日本では理学療法士になったら会員登録するので、ある程度の数は教会側が把握できるわけです。しかし、ここでは会員登録がないため正確な数が分からないのが現実だそうです。養成学校の数から仮説を立ててみます(入学した学生が留年せずストレートで理学療法士になったと仮定)。

 

 

1年間に誕生する理学療法士の数=30(1クラスの生徒数)×3(養成校数)=90

1年間に90名の理学療法士が誕生するわけです。日本と比較したら格段に少ない

 

 

 

同僚は理学療法士歴20年、その為90×20=180人以上は存在しているはずです(本当にざっくりですみません)。もっと確実な情報が入ったら更新します。

 

この人数しかいない為、手術後にリハビリテーションを受けれずに退院する患者様も多いわけです。

 

 

 

【学生の質は?】

 

 はっきり言って優秀な学生達だと思います。というのもここモザンビークの国全体の識字能力は30%しかありません(この30%という数字もしっかりとした統計で出されているか怪しいです)。ストレートに専門学校・大学に進学できたとして18歳で理学療法士の養成学校に入学することになります。このタイミングは日本と同じですね。その為、ストレートに入学できる学生達は優秀な子が多くなるわけです。日本と同じで試験や実習で進級できない学生も多いです。

 

 

 

【なぜ、理学療法士の養成学校が少ない?】

 

 ここモザンビークでは理学療法士を始めとした医療従事者(特に医者・看護師)が絶対的に不足しています。公立の病院では患者が多く診察・治療を受けるために病院の外まで並んでる光景をよく目にします。命に直接的に関わる医者・看護師の養成を最優先されています。そのため、理学療法士作業療法士の養成が遅れているわけなのです。しかし、道端では両下肢の拘縮が進み伸ばすことができない状態で生活している人を多く見られます。早期から適切なリハビリテーションを受けていればこのような事態を防ぐことができたのではないか?と思ってしまいます。

 

 

 

ポルトガル語圏なのに英語も通じる?】

 

これは衝撃でした。

 

モザンビークはかつてポルトガルの植民地の影響で公用語ポルトガル語となっています。しかし、職員スタッフや学生達は簡単な日常生活の英語を話すことができます。

 

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 モザンビークの周りの国は全て英語(南側:南アフリカ、西側:ジンバブエ・マラウィ、北側:タンザニア)やフランス語(マダガスカル)圏となっています。隣接国が全て英語圏の国家であるため、1995年からイギリス連邦に加盟しています。他の国との交流を図るために中学・高校の授業で英語とフランス語を勉強するとのことです。自分のポルトガル語が通じない時に「By the way ,Can you speak English?」と言われた時は悲しくなりました。仕事帰りに英会話教室に通っている職員達もいます。私もポルトガル語が落ち着いたら見学に行こうと思っています。

 

 

 

【まとめ】

 

理学療法士の数、養成学校のが絶対的に不足している

 

・学生の質が高い

 

ポルトガル語圏なのに英語が通じる

 

 

 

さっくりでしたが以上のことが分かりました。

アフリカの教育の質は思った以上に高いと感じましました。識字率30%と言われますが、その30%の人達は勉強熱心であることも分かりました。

 

アフリア進出してまだ2ヶ月。理学療法士として自分が何が出来るか、まだ明確な答えが出ていません。この答えを出すのにまだ時間がかかりそうです。

 

自分がここに来た価値を見出せるように活動せねば。

 

 

 

ではでは

 

Até próxima.